10/17純文学作家で日大教授、佐藤洋二郎さんの「小説を書こう」教室に出席する。法政大学のオープンカレッジの主催である。前期はセカンドステージ大学の授業の関係で半年ほどさぼった形なので久し振りの受講になる。受講生は学生四割、社会人六割。女性が四割程度だろうか?
冒頭「小説を書く人は当たり前のことを疑ってほしい。たとえばわれわれの国をなぜ日本とよぶのか?」と講義がはじまった。25年程前当時流通業界の名コンサルタントの城功先生に会った時の最初の指導が全く同じだった。「この商品はなぜ入口に並べているのか?」「同じ商品なのに店が違うとなぜ売れ行きが変わるのか?」「なぜ子供のいない家に子供用品が掲載されているチラシを配布するのか」なぜ?なぜ?の連続攻撃 なつかしい気がした。
そういえば立教セカンドステージ大学の千石ゼミでも教授は「なぜあなたはそう考えたのか?」「作者はなぜこの色づかいにしたのか?」と質問形式で指導する。あまり当たり前なのことなのでつい見過ごしてしまいがちなことへ目を向けさせる。
佐藤先生、城功さん、千石教授 私の師匠たちは共通して「当たり前のことを疑うことが出発点」と教える。マネジメント、文芸の世界を超えた共通の真理なのだろう。
授業終了後佐藤先生の行きつけの店で飲む。昨年先生の小説教室に参加したメンバーの有志で「法政大学文藝クラブ『ライターズ』を立ち上げたことを報告すると大変喜ばれた。昨年小説教室の最後に先生が「文章を書くという作業は大変孤独なものです、一人ではなかなか続きません、みんなもあつまって勉強会をしたらどうですか?」と提案された。それに応える形でライターズを結成したのだ。一度ライターズのメンバーと先生の懇親会を行う約束が決まる。
最近佐藤さんの本が出版された。「沈黙の神々 2」である。
佐藤さんは20年以上全国の有名無名の神社を訪ね歩いている。難しい本ではない、ライトエッセイである。歴史に書かれた当たり前のことを疑う精神がこの神社めぐりの動機なのかも知れない。時折息子さんが登場する。受験生のとき「第一志望は浪人」と言う。私のカミさんは佐藤さんというよりこの息子さんのファンである。「自分の娘よりセンスがいい」と息子さんを応援している。40才以下の人にはおすすめしない。大人のための上質なエッセイだと思う。ちかごろ芥川賞受賞作は面白くなくなったと思う人におすめする。断っておきたい。佐藤さんからは何も頼まれていない。私が勝手にこの本を周囲にすすめている。しかしまてよ、あの飲み代は佐藤先生のおごりだったのかどうか記憶にありません。
最近のコメント