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「ゼミ研究テーマ」何をどう書くか?

 ゼミの研究テーマをどう書くか。手ごわい課題の一つだ。まず何を書くか? これがなかなか決まらない。とりあえず自分の気になること、関心のあることから始めるしかない昨年本科では映画が好きだったので黒澤の「羅生門」を研究の柱の一つにした。次に「どう書くか」になるが。これには2つある。

 ①どのように材料をを集めるか?  最近はネット検索で資料を集める人が多いが、ネットの情報は幅広いが深さに欠ける面がある。やはり自分の足で集めることが欠かせない。千石ゼミでは美術がテーマで関東の主要な美術館では足りずに仙台の県立美術館まで出かけて行く人。戦争文学がテーマであるが、関連する小説だけでは満足せず映画を点検する人。(この人は今週岩波ホールで上映中の「嗚呼あア満蒙開拓団を観に出かけている。)やはり現場での情報収集が決め手になる。

 ②はどんな切り口で書くのか?  これが一番難しい。「ナンダ他にも同じような内容の論文を読んだことがあるよ」と言われないためには作成者のオリジナルの視点、切り口が必要になる。わかってはいるのだがこれがなかなか決まらないのだ。経験から言えば一人で考えないこと。仲間とフリーディスカッションすることが一番の近道だ。セカンドの仲間は実に多様な経験や知識を持つ人が多い。実際 私も同じゼミの人だけでなく、他のゼミの美大出身の飲み仲間から教育指導を受けることがたびたびある。

わいわいがやがやで研究テーマを仲間と議論する。これも楽しい時間だ。ひと様に教えてもらってばかりではいけないので 仲間の研究テーマに口出しした内容の一部を紹介する。はじめは「民事の裁判員制度研究」をテーマにしたSさんに対して

論点の後に続けて欲しい作成者の視点

 論点として

(1)  民事裁判と現状の課題

(2)  市民参加による民事裁判の可否

(3)  具体的実施形態

が挙げられています。これに作成者の「立ち位置」「切り口」が欲しい

例えば

「忠臣蔵に関する考察をレポートにするつもりでね」

「論点は?

   仇討に関する公正性の確保

   刃傷事件の真の原因

   47士に対する処分の可否

を論点にするつもりだ。 

「へえー切り口はどうするの?

「浅野匠の守は実は性同一障害者で、吉良と内蔵助が取り合いをしたのが

真相という視点で書くつもりなんだ。」

「うあー気持ち悪そうー」

中身はどうあれ、ここには作成者の視点、切り口があります。

に対しては

日本の宗教を縄文時代から始めたいというM

さん

 1 はじめに

  今は「縄文人の思い、願い、祈り」を主なテーマとして論文を展開することが決まった段階だと思う。次のステップはこのテーマにどう切り込んでいくかが課題となる

  アイディア・フラッシュ的になるが3つの切り口を提案したい。

   ある時代と比較する

   今も残る文化から縄文を振り返る

   美女の系譜をたどる

 

 2 縄文時代と弥生時代を比較する 特に土偶を中心として

   発見された場所の違い

・土偶は出土する場所にあまり法則性はない。時には家の跡から掘り出されることもある。

・弥生時代の埴輪はほとんど古墳の周りや内部から出土されている。

   つくられた対象の違い

・土偶の場合、人の形(特に女性、妊婦)をしたものがほとんどである。

・埴輪は人の形だけでなく、動物、武器などいろいろなものがある

   作成意図の違い

・三内丸山で出土された遮光土器(遮光=眼鏡)はおおきな目をしているのに目がつぶれている。これは死んだ人間を意味している。

「ユーカラ」(アイヌ民族に伝わる叙事詩の総称)を読むと目のある方は再生可能な死人を意味する。だから再生可能を示すためにおおきな目をつけたと思われる。

・埴輪は武装した人、武器が古墳の周りに配置されて

 いることに特長がある。古墳に祭られるほどの権力者の墓なので、その者が生前に力を持っていたことを示すものであったり、権力者が死後の世界で

 権力をふるえるような意味でおかれていたのではないか?

これらを見てくると

・土偶は自分の身近な家族の再生を願って作られた「庶民の祈り」

 埴輪は「権力者の為の祈り」という結論になる。

以上は一例に過ぎないが、縄文時代と弥生時代を比較することで

多くのものが見えてくると思う。

2 アイヌの文化を追うことで縄文にせまる

 縄文の土偶は全て妊婦であり、腹が縦に裂かれている。

 

 「その土偶の意味が長い間わからなかったのですが アイヌの葬法について調べますと妊婦を埋葬するのが一番難しいと言うんです。というのは子供が産まれるというのは新しく生まれるのではなくて祖先の誰かが帰って来たということなんです。だから子供が出来るとあの世のA家とB家の祖先が誰を帰すかを決める。で、決まったら妊婦の腹に入って、月が満ちて生まれて来る。とすると、妊婦が死ぬとせっかく祖先の人がこの世に帰ってきたのに、閉じ込められて出られないということになる。これはおおきなタタリになる。ですから妊婦が死ぬといったん葬り、後に霊を司るお婆さんが墓に行き、妊婦の腹を裂いて胎児を取り出し 妊婦にその子を抱かせて葬るという話を聞いたんです。」

 『呪いの思想 白川静+梅原猛』より 

  殷と日本 P168-

アイヌの文化とくらしを追うことで縄文人が見えてくるのではないか。

3 美女の系譜を追う         

長野県茅野市湖東の中ッ原遺跡から出土した土偶はヴィーナスと呼ばれ

ている。ヨーロッパの旧石器時代にもヴィレンドルフ(オーストリア)

で発見された土偶もヴィーナスと呼ばれている。

その豊満な肉体は母なるものを表している。それに続く女たちを

追ってみよう。

平安時代では小野小町,江戸中を熱狂させたお仙 (鈴木晴信絵),1980年代はマドンナ,1980年代、男女平等から女性上位の時代へというアメリカ女性の願望の象徴として「タフで、挑発的なアーチスト」マドンナが旋風を巻き起こす。

  美女の系譜は時代、時代の人々の願いを追うことでもある。古代の美女たちがどんな願いを託されたかを追ってみるのもひとつの切り口ではないだろうか。

  これは私の意見の一部を掲載したにすぎない。他のメンバーからも

  多彩な切り口の提言があった。中には「そんなの面白くない」

  という辛辣な意見も出た。

  「ゼミの研究テーマを考える」仲間とのディスカッションは

   重要な手がかり発見の場になると思う。

 

は真ん中から割かれている

次は「日本の宗教を縄文の土偶から説き起こす」、土偶は妊婦が多くその腹

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