ビジネス

仕事のための本

 

20年ほど使っていた机を変えることにした。デスクまわりの変化に従来のデスクが追いつかなくなった。パソコン、モデム、プリンター・プリント用の用紙。デジカメ用の関連機器など、それに付随する多くの電源コードで身動きがとれない。横に長いオフィス用デスクに切り替えた。

 それからが大ごとになった。袖机、本棚、その引き出し内の整理。これで約4日間を要した。メガネ10数個、腕時計20数個、もう使わなくなったのに引き出しの奥深くに保存してあった。この際思いきって捨てることにした。

 ビジネス関連の本も後輩にプレゼントしたり、すべて捨てたつもりだったがまだ残っていた。これも30冊ほど処分した。

 どうしても捨てられない仕事関係の本が五冊残った。

 経営戦略のバイブルともいうべき「競争の戦略」マイケル・ポーター著。

 経営学の本と言えばドラッカーが有名だがドラッカーは経営哲学の匂いが強い。ポーターは競争の本質を語りながら、現実の事例を引く。実践的なのだ。

「差別化」を語って「差別化とは相手に差をつけるためにわざとコストをかけること」などの箴言に出合う本だ。

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 2冊目は「理科系の作文技術」木下是雄著。世に文章読本は多い。大半は文学者が書くものが多いがむづかしい。「やさしい文章読本」などのタイトルに惹かれて読むと難しすぎて途中でほうりだしたくなる。もともと文章を書く才能を持った人が書くので浅学非才な私にはついていけないのだ。

 木下さんは当時学習院大学の教授でこの本を学生、若い研究者の為に書いた。文学的文章の作成とは違う明快・簡潔な作文の技術を語る。文章が苦手というひとにおすすめの名著だ。

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 「知のソフトゥエア」立花隆著。文章を書くために、情報の収集、取材、情報の分析、整理の仕方。立花さんのノウハウが公開されている本だ。数多くの後輩にプレゼントした本だ。現象の奥に秘められた本質を追究する立花さんの手法はビジネスマンの基礎的教養ともいうべき本だ。立教セカンドステージ大学で立花教授の講義をナマで聴いたときは感動のあまり、しばらく話を聴くことが出来なかった。

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ヨーロッパの地域活性化

 1/28 法政大学で『グローバルな競争のもとでの地域活性化』のシンポジウム。スウェーデン・スイス・デンマーク・イタリアなどの事例を各国大学教授が報告。

 大企業の工場が閉鎖になりその跡地に複数の中小企業を誘致して地域の雇用を守った事例。国という境を越えて地域活性化に成功した例などが紹介された。

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 終日のシンポジウムなので昼食の時間に学生食堂に行くとこの時期なのに満杯。学校を出て近くの大勝軒のつけ麺をたべる。いつも思うのだがこの店の付け汁は甘すぎる。

 パネルディスカッションでは進行役の岡本義行教授(法政大学)から日本の地域活性化で産・学・官の連携が必ずしもうまくいっていない、各国ではどうかの質問があった。共通したのは「三者の意見が対立するのは当たり前、辛抱強く調整をするのが地域活性化だ」という答え・ヨーロッパの列国に囲まれて生き抜いてきた小国のたくましさを感じさせるコメントだった。

 シンポジウム終了後は横浜で中国、韓国の友人と飲み会。中国ではお墓はたった一人のために山を買ってそれを墓にする例が多いという話に感心。

 国際色ゆたかな一日になった。

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上海縁故事情

上海で不動産取引ビジネスをしている友人と食事をした。上海ではマンションは内装抜き、いわゆるスケルトンの段階で取引されるのが主流とか。自分の好みで内装したいというのが主な理由らしい。内装に日式(日本風)を取り入れると30%価格があがるらしい。日本の品質信仰はなかなかのものだ。

この友人が上海の事務所に勤務する女性(中国人)と5年ほど前に結婚した。

15才も年下の女性だ。この人と結婚したとたんビジネスの場面がガラッと変化したとのこと。

3か月~半年かかっていた電話やガスの取り付けが1週間でできるようになった。とりにくかった飛行機のチケットもあっと言う間に手に入る。役所への申請書類もスムーズに通る。奥さんの叔父さんが国営テレビ局に勤めていて顔が広いということがあるようだ。

 更に多くの親戚を通して、プリウスが手に入らないか? 日本から粉ミルクを大量に輸入したいがなんとかならないか? 個人、会社の様々な相談が持ち込まれるようになり、とうとう彼は輸入代理店を起業したという。いまでは不動産より輸入業の方が主なビジネスになっていると笑う。中国の縁故の強さを改めて感じさせる話しだ。

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流通第二世代

 ダイエーの中内功さんたちはチェーンストアを切り開いた第一世代と言っていい。中内さんが企業の枠を超えて流通業の若手にマーケティングとは何かを教える勉強会に参加したことがある。中内さん曰く「こんなところで私の話を聞くより、店に帰ってひとりひとりのお客さんをよく観察しなさい。それが小売業のマーケティングだよ」30年ほど前の話だ。この時ダイエーの主要な会議は全員が英語で話すことが義務付けられていた。中内さんの先見力に驚かされる。

 中内さんたち流通業の創業の巨人たちを支えたのが流通第二世代だ。第一世代より10年ほど若く、参謀として彼らを支えた。第一世代が革命家なら第二世代は実務家、チェーンストアの各分野のシステムづくりの名人たちだった。

 その第二世代の一人が12月に逝った。小説『不毛地帯』のモデルとして有名な瀬島隆三さんを師として瀬島さんから聴いた座有の銘を自分も大事に経営にあたった。

 「良く戦うものは人を盛んにする」                       合掌

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忘年会 2 未来をになうグループ

 本日の忘年会会場は五反田「竹取の音色」という名の居酒屋だ。スーパーの営業は二つの仕事がある。ひとつは「今売れているものを徹底的に売り込む」役割の店舗の販売部門。もうひとつは「明日何が売れるか?を予測して、それを仕入れる」バイヤーと呼ばれる集団。本日は後者の集団の集まりだ。

 当時の経理担当常務曰く「そりゃー私より、バイヤーの方が権限があると思う。何しろこの会社では数万円の店舗の水道料金支払いさえ、伝票を起こして決済が必要、ところがバイヤーは数億円の取引を個人で決済してしまう。私はと言えば一千万円以上の支払いは会議にかけなければ通らない。バイヤーのほうが私よりよっぽどえらい」

 バイヤーには20代後半の店舗で評判の男たち(女性も)選ばれる。これから何が売れるのか。競争相手のスーパー、百貨店、専門店を調査する。時には新商品を求めて海外の展示会にも出向いて行く。当時の会話を思い出した。

 「部長、この商品どう思います?」「売価は?」「イチキュッパです」こう言われて198円なのか1980円なのかがわからないようでは部長は務まらないのだ。「他のスーパーはまだ取り扱っていないので迷っているんですよ、どうですかね?」「デザインがイマイチパッとしないな、時期尚早じゃないか?」と私。

 「そうですか、良かった、それじゃ来週から扱うことにします」「????」「去年、部長に大反対されたあの商品、今売れ筋商品のベスト3にランクされているんです。部長に反対されたら扱うことに決めてるんです」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 スーパーの未来を担うバイヤーは個性派集団の集まりである

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買いたいものがない

りんかい線国際展示場駅前の紅葉もみごろである

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 百貨店中心に販売する衣料品メーカーの社員向けバーゲンをのぞいてみた。人手がすくない。

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以前は満席だった会場に隣接するコーヒーショップもガラガラ。

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 何故そうなのか、衣料品販売にくわしい友人に聴いてみた。「百貨店はいいものがあるが、価格が高い。節約志向の消費者の値ごろ感に追いつけない、スーパーは値ごろはそこそこだが買いたいものがみつからない。ユニクロのようなインナーは動いているが、コート、スーツなどのアウターはにぶい動きになっている。百貨店は価格を下げる。スーパーは物作りを見直す。わかっているけどなかなか出来ないようだね」

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就職戦線

早稲田のもみじも色づき始めた。

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 若い後輩たちから就職活動の報告が入ってくる。今年は一段と厳しい状況だったようだ。とにかく会社訪問しても会社の人が会ってくれないことが多かったと出版社希望の女子学生が言う。一応世間体として男女募集のかたちをとるが、本音は女子を獲る気がないので門前払いをしているのではないかと感じたらしい。小さな出版社ではあるが内定をもらってほっとしたところと話してくれた。

 高校の教師に内定した人。大手の損保に入った人、女性軍からの内定決定の連絡が多い、男性は苦戦中なのか心配になる。就職が決まった学生と食事をした。なにかアドバイスをしてほしいというので三つほど話した。「一つは会社へはすこし早目に出勤することを習慣づけること。一日のはじめをゆとりを持ってスタートすることが必要ということ」「二つ目は職場内に尊敬できる上司を見つけること。その人の優れたところをまねすること」「三つ目は自分の会社のトップがどんな人物かを知ること」五島昇さんが新入社員だった私にしてくれたアドバイスだ。最後の三つめの意味を尋ねたら、五島さんの答えはこうだ。

 「馬鹿な大将敵より怖い」

 その時同席された山崎豊子原作の小説「不毛地帯」のモデルになった瀬島龍三さんからは

働く者の心構えとして 自分はなかなかできなかったがと前置きしてから

 「よく戦うものは人を盛んにする」の言葉があった。

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チームMD

横浜で飲み会があった。20年来の仲間だ。新しいショッピングセンターを作るたびに、新店舗を開発したチームだ。小売、卸、メーカーが集まり自分の企業の枠を超えて活動した。当時はこの活動をチームMDと読んだ。評判のみせがあれば全員で見学にいった。時には海外への視察もした。業態が違えばおなじ店を全く異なる視線で見ていることに驚かされた。その時創った店は今も発展している。

 当時一般社員、係長クラスだった彼らも、部長、役員クラスになった。彼らから当時のような会社の枠組を超えた活動が皆無になったと聴いた。小売は小売、卸は卸で独自で動く、厳しい環境がそうさせているという。チームMDは自分の企業の利益だけを主張しているだけではまとまらない。時には自分の企業の利益を抑えてチームに貢献しなければならない場面がある。その余裕がなくなっているという。

数回前のブログ「娼婦の描き方」で娼婦を描いた『オランピア』をモネの作品と紹介した。すぐに「マネの作品、間違いですよ」とコメントを寄せて教えてくれた人がいる。わざわざ訂正してくれたこの人に昔のチームMDの雰囲気を思い出した。改めて感謝したい。 

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ギフトショウ2010

ギフトショウ、日本最大の雑貨の見本市だ。

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 当初はソニープラザのようなバラェテイ専門店が扱う商材中心だったが、最近は食品、衣料品も出店するようになった。雑貨専門店だった「無印良品」が衣料品を扱う、100円ショップが食品を扱うというように、雑貨屋の扱う品種が拡大している状況に対応しているようだ。

 どしゃぶりの雨が降っていたが来場者は多い。

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 秋のギフトショウは小売店の来春の品揃えに対する提案である。したがってこれを見れば来春の傾向がわかる。景気の動向も読み取れる。香りのゾーン。出店が増加していれば来年は良いと判断していい。前年同じ出店者数でも、人だかりがしていれば期待できる。香りの商品に目がいくということは消費者のゆとりのあらわれなのだから。

 今回目についたのはアジア勢の元気の良さだ

中国

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台湾

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統一した販促デザインをかかげ、周囲の出店者との差別化を打ち出している。ヨーロッパからの出店は個々バラバラのブースづくりなので、その差がいっそうとはっきりしている。

 なかでも韓国はダイナミックで雑貨の出店に合わせて食品にも力を入れている。

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ブースの一角で見つけた文字。これは何かと聴いてみた。

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「我々は韓国政府の機関です。海外になかなか出ることができない中小のメーカーを支援するため、この企画を運営しています」との答えが返ってきた。日本の農水省は中小企業の海外進出のため、どんなサポートをしているのか、すこし気になった。

 

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仲間を守る=ビジネスの基本

 仲間を守るということがビジネスの基本という考え方が主流だったのはバブルがはじける以前のことだったろうか? 組織内の個人と個人が助け合う。企業と個人が助け合うのはあたり前のことだった。

 この基本ルールを破ったのは企業サイドがはじめだった。バブル以降の収益悪化に耐えきれず「改革」という名の大量リストラの実行が始まりだ。会社を守るために一部の個人を切り捨てたのだ。企業が個人を守れなくなった。個人の側は対抗して企業への忠誠心を薄めることになった。

 個人は自分を守ることを優先して仲間を守る余裕がなくなってしまった。この実態を描いた小説がある。

 「プロジェクトX」のプロデューサーだった今井彰が書いた「ガラスの巨塔」(幻冬舎)。「ガラスの巨塔」とは、いうまでもなく、ガラス張りのNHK放送センターのことである。

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これを読むとNHKというところは権謀術策、嫉みや保身が支配し、怪文書が飛び交う亡者たちの世界であったようだ

タイトルは暴露本のような感じだが、とにかく面白い。と同時にビジネスマンならわが身に思いあたることの多い本だとおもう。これを読んで「ウチの会社のほうがまだましか」と思って仕事を頑張るための本といったら、著者は怒るだろうか?

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